MANAGEMENT & BUSINESS

経営・事業の物語

会社と事業を、どうすれば無理なく成立させられるのか。

私は、経営学を専門に研究してきたわけではありません。

創業経営者の社長秘書、株式公開準備、新規事業、研究開発、営業、 個人事業、EC、そして事業承継型M&A後の中小製造業経営。

異なる立場で実際の仕事を経験する中で、 人や組織、顧客、技術、利益、時間、安全、信用といった 多くの変数を同時に扱うことになりました。

ここでは、その中で起きた出来事を単なる成功談としてではなく、 「なぜそう考え、何を変え、何を変えなかったのか」 という視点から記していきます。

現在、二つの事業を入口として物語を残しています。

TWO TRUNKS

二つの事業から考える

PANTOS STORY

会社を立て直す過程で、考えたこと

パントス物語は、 「赤字会社をV字回復させた」という結果だけを記すものではありません。

就任前から会社を観察し、 社員へ未来の地図を示し、 顧客との信用をつなぎ直し、 市場に残っている価値を探し、 数字を社員が動かせる変数へ分解する。

その結果として、 人、製品、顧客、協力企業との関係など、 もともと会社が持っていた力が少しずつ同じ方向へ揃っていきました。

事業承継型M&A後のPMI、 組織マネジメント、顧客との信用、 財務、価格、技術継承。 一つひとつは別の経営課題に見えますが、 実際の現場ではすべてがつながっています。

消えかけていた会社を引き継ぐ
就任4営業日目、未来の地図を広げる
会社を引き継ぐということは、顧客との約束を引き継ぐこと
1億5,000万円を、社員が動かせる数字へ変える
縮小市場だからこそ、残っている需要を見る
売上よりも、利益
すでにある価値を、自分たち自身が再発見する
利益は、会社が「NO」と言える力になる
パントス湖を飛び立った白鳥たち――渡り鳥経営
野戦病院型経営から、予防医学型経営へ
若手を育てるのではなく、育つ条件をつくる
未来から現在を見る
EC BRAND STORY

小さなECブランドを育てながら、考えたこと

もう一つの事業は、 2003年から夫婦で長く運営してきた小さなEC事業です。

現在のブランド名は、 「白蝶花 Perla&Fiore」。

製造会社とは規模も顧客も仕事の姿も異なります。

けれど、 信用、価格、商品、顧客との関係、 ブランド、知的財産、時間軸という点では、 パントス経営とも共通する問いが数多くあります。

商品を売るだけではなく、 商品ページそのものを営業マンとして育てる。 写真で期待を上げすぎず、届いた実物がその期待を少し上回る状態をつくる。 レビューから、お客様との認識の差を読む。

そして、短期間で売上を最大化するのではなく、 自分たちらしさを失わず長く続けられる規模と、 時間の中で育つブランドを考える。

30年かけてブランドを育てる
商品ページを、有能な営業マンに育てる
写真より実物が良い、という商品設計
直接お会いできないお客様だからこそ
レビューと期待値コントロール
自然科学をデザインに使う
小規模事業者が、知財紛争の非対称戦で生き残る
売上を最大化しない、という事業設計
COMMON ROOT

会社も事業も、同じように見ている

散らばった事実を観察する。

変数を探す。

制約条件を知る。

関係性を考える。

全体的破滅を避ける。

時間軸を加える。

将来の選択肢を残す。

そして、全体が成立する方法を探す。

一方は、企業を相手に計測機器を扱う製造会社。

もう一方は、個人のお客様へジュエリーを届ける小さなECブランド。

規模も顧客も、仕事の姿も大きく違います。

けれど私自身は、 その二つをあまり別のものとして考えていません。

顧客が何を求めているのかを見る。 自分たちの価値を過小評価しない。 価格だけで競わない。 破滅するほど無理をしない。 短期の数字より長期の信用を残す。 将来の選択肢を消さない。

どちらも、 限られた資源と条件の中で、 人や事業が長く成立できる構造を探す仕事だからです。

振り返ってみると、 自然科学を学んでいた頃から、 研究開発でも、営業でも、個人事業でも、経営でも、 私は同じように「見えない構造」を探してきたのかもしれません。